Cloudboom Max は、On が「エブリデイランナー向け初のスーパーシュー」として打ち出す最新レーシングモデル。Helion™ HFフォーム(二層)×ガラス繊維Speedboard® による高反発と最大級クッションで、フルマラソン4時間前後の完走を狙う層を主対象に設計されている。実測スペックは 296g(men)/ドロップ8mm/価格$230。小売サイトでは2025年8月21日発売予定が掲示されており、直近では会員向け販売の体裁で公式ページが公開されている。

(出典:On公式/Fleet Feet/Holabird/決算コール/Meta Endurance)
背景:なぜ「エブリデイ向けスーパーシュー」なのか
近年のスーパーシューは、カーボンプレート+超臨界フォームで速いが繊細というイメージが強かった。Onはここに対し、ガラス繊維Speedboard®で適度にしなりを残し、長時間でも脚を守れるマックスクッションを融合。決算コールでも“everyday runner向け”と明言され、エリート特化から裾野拡大へ舵を切っている。
スペックとテクノロジーの要点


- 重量:296g(men)
- ドロップ:8mm(On公式/Fleet Feet)
- スタック:ヒール40mm(Meta Enduranceのプレビュー。公式数値未明示だが、40mm×8mmから前足約32mm相当と推定)
- ミッドソール:Helion™ HF ハイパーフォーム二層。衝撃吸収とエネルギーリターンを両立
- プレート:ガラス繊維 Speedboard®(硬すぎない推進感)
- アッパー:超軽量・高通気メッシュ。ロングレースでの変化に追従
- アウトソール:ロード向けラバー配置で耐久とグリップ
- ターゲット:フル4時間前後を見据えた巡航型レース
画像:Specs/Features/Target を挿入(ダウンロードリンク参照)
走行感の仮説(初期レビュー動向から)
公開済みの小売レビュー・プロメディアの文脈から読み取れる走行傾向は次のとおり。
- 乗り味:ソフト寄りのクッショニングだが、Speedboard®の反発でヌケ感のある推進。
- リズム:8mmドロップと厚めのヒールがミッド~フォアへの転がりを助ける。
- 耐久/安定:ラバー配置とヒールまわりのクッション強化で後半の脚残りを重視。
- 適性ペース:サブ4付近の巡航を中心に、後半の失速抑制を狙う設計思想。
- フィット:軽量メッシュにより長時間でもストレスが少ない(締めすぎずズレにくい)。
※スタック/プレートの仕様から、**超高速域のペース変化に対する“キレ”**はフラッグシップのカーボン全開モデルに劣る可能性がある一方、脚に優しい巡航性能は大きな武器。30km以降の沈み込み制御とリズム維持に期待できる。
競合・代替案:誰に刺さる?

- ASICS S4/Salomon Spectur など、**“ミッドパック(中間層)向けスーパーシュー”**の台頭と同じ文脈。ハイエンドの硬質カーボンに疲れた層がターゲット。
- HOKA Bondi X系/厚底+適度反発が好きな人も相性が良い可能性。
- スピード持久に自信があり、反発をガンガン活かしたいタイプは、On内ならCloudboom Strike / Echo系や他社のエリート直系モデルも検討価値あり。
用途別のおすすめ

- A:初サブ4狙い(4:10→3:55) 基本はLSDとマラソンペース走にCloudboom Maxを投入。30km以降を想定した巡航ピッチの確認に使う。
- B:完走重視(4:30~5:00) ペース走・ロング走に限定せず30–35km走もこの靴で。フォームが乱れた時に暴れないのが利点。
- C:スピード練習(インターバル) キレ重視の練習では他モデル(軽量トレーナー)を併用し、Cloudboom MaxはM〜Tペース帯の走で使い分け。
サイズ感・足入れの注意

- トゥルーサイズ表記。幅はレギュラー基調。甲高・幅広は紐で調整を。
- アッパーは薄手のため、ソックス厚みで微調整しやすい。
- 初回は長めのジョグ+流しでフォームとの相性をチェック。
価格と発売時期

- 価格は**$230**(国内想定:為替次第で3.3~3.7万円前後)。
- 小売サイトでは2025年8月21日発売予定が掲示。公式は会員限定でページ公開済み。
- カラーはHoneydrew/Lilac、White/Black、Lime/Raspberryなど流通情報が増加中。
画像:Timeline(公開情報の時系列)を挿入
購入前チェックリスト
- フル本命レースのターゲットペースが4h前後か
- 後半の脚保護>瞬間最大推進を求めているか
- 足型(幅・甲)とアッパーの薄さの相性
- ドロップ8mmの前傾リズムが合うか
- 既存のOnシューズ(Cloudsurfer/Monster系)でクッション相性が良かったか
よくある質問(FAQ / AEO)
Q1:サブ3.5やそれ以上の高速でも使える?
A:使えますが、爆速の“切れ味”は超硬質カーボン系に分があります。サブ3.5でも終盤の脚保護を最優先する方には有力候補。
Q2:日常のジョグにも使える?
A:可能ですが、フォーム作りにはトレーニング系(Cloudsurfer等)との併用がおすすめ。レース用の反発と厚みはジョグ連用では体幹や足底の入力が希薄になりがち。
Q3:Echo/Strike とどう選ぶ?
A:**速さの天井値(エリート志向)**なら Echo/Strike 系、**長時間の巡航と脚保護(ミッドパック)**なら Max。目的で選ぶのが失敗しないコツ。
まとめ
Cloudboom Max は、“速さ”を諦めずに“完走力”を底上げしたいランナーに刺さる一足だ。Helion™ HF 二層+ガラス繊維Speedboard®により、脚に優しい推進力をレース終盤まで継続させる設計思想が随所に見える。サブ4前後のメイン層が自信を持って本命にできるスーパーシューとして、2025年後半の注目株である。
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